“モチベーションが上がらないので転職”はアリかナシか?

今日はこのツイートに絡めて「転職とモチベーション」について語ります。

この「モチベーションこそ希少材」という言葉の意味を説明し「モチベーションが上がらないので転職を考えているが本当に良いのか?」と悩んでいる人に、僕の考えをお伝えします。

この記事を読むと「モチベーションの価値」「モチベーションとテンションの違い」「モチベーションの正体とは何か?」が理解でき「モチベーションを理由に転職して良いか」についても参考になるはずです。

■ モチベーションは現代における希少材

結論から言うと「モチベーションが上がらないので転職する」のはアリだと僕は思います。

なぜなら、業界や企業、事業、仕事に対してモチベーション=動機を持っている人は、それだけで希少人材だからであり、結果的に競争優位や市場価値にもつながるからです。

逆に言うと、モチベーションを持てない人が今の能力だけでそのポジションに就いても、長期的にはパフォーマンスを出せなくなっていきます。なぜならば、

  • 能力は高いけど、仕事へのモチベーションは低い人
  • 能力は高くないけど、仕事へのモチベーションが高い人

この2者を比較すると、前者は今のパフォーマンスで頭打ちになってしまうのに対し、後者は一緒に働きたいと周りから感じてもらえて、指導してくれるメンターや応援してくれる人が増えていく結果、いずれ前者を逆転してしまうからです。

今の時代「モチベーションで仕事をしない」という割り切った人は、モチベーションがある人に勝てないんです。

■ モチベーションとは「独自解釈」であり「魅力的な虚構」

多くの人が言ってる「モチベーション」とは「テンション」のことです。日々の身体的なバイオリズムなので、常に上がったり下がったりするのが当たり前。つまりは波の性質なんです。

僕たち人間は、この身体のバイオリズムに振り回されて、気分が上下しているのに、それを「モチベーションが上がらない」と勘違いしているんです。

では、モチベーションとは何なんでしょうか?

僕がこれまでの経験から理解したモチベーションとは「個人的な動機」であり、「サピエンス全史」のユヴァル・ノア・ハラリ氏の言葉を借りると「虚構」です。さらにいえば「魅力的な虚構」のことです。

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仕事に強い意志や興味関心を持てるような「個人的な動機、魅力的な虚構」を持てているかがポイントなので、上がる下がるじゃなくて、本来「あるか、ないか」、”true or false”の二値分類だと考えた方が良いです。モチベーションアップor ダウンという言葉が紛らわしくしていますが、きまぐれに変わる気分的なものとは異なります。

■ 状況を「面白がる力」こそがモチベーションを作り出す

ということで、繰り返しますが「モチベーションが上がらないので転職する」のは、原則アリだと思います。

ただし「モチベーションが上がらない」のではなく、「モチベーションがない」という表現が正しいです。その上で、どれだけ視点を変えても、状況を面白く捉えることが難しいならば転職した方が絶対に良いです。

逆に会社や上司が、自分のモチベーションを上げてくれないから転職する」という考え方での転職はおすすめしません

要するに、モチベーションを自分で作れなくなったら転職OK。他人につくってもらいたいなら転職NGというのが僕の基準です。

モチベーションの正体が「独自解釈」や「魅力的な虚構」である以上、それは自ら作り出すことができますし「面白がり方」にセンスが出るんです。

僕の例で恐縮ですが、これはSmartNewsでの僕個人のモチベーションです。

究極、コロナでも不況でも、会社が潰れそうな時ですらも「このハードな状況ってネタにできるから逆においしいかも」と捉え直しができる人は、動機を生み出すことができるんです。

経営者が社員にモチベーションを持ってほしくて魅力的なストーリーや戦略を編み出そうと頑張るのは一向に構わないのですが、転職市場で市場価値を評されるビジネスパーソンやエンジニアとして「モチベーションクレクレ君」にだけはならないようにしてくださいね。

ではでは。長文読んでいただきありがとうございました。