【補講】AI/DX時代にいかに自身のキャリアを築くか?僕が本当に伝えたかった事

6月8日(月)に出演させて頂いたSchoo生放送『DX時代、いかに自身のキャリアを築くか?』ですが、大変多くの方にご参加頂き嬉しかったです。

今回、お誘い頂いた”AI姉さん”こと國本さんは「DX時代に適応したキャリアづくり実践者」として僕を認識してくれたみたいですが、感謝しかありません。

また、当日の内容をグラフィックレコ−ディングでまとめて下さった ネコっちさんにも感謝です。生放送の終了1時間後にはこれがアップされていたので驚愕のまとめスピードですね。

さて、今日の記事では、この生放送で僕が皆さんに伝えたかったことを、改めてまとめてみようと思います。生放送の弱点は「履歴が残らないこと」なので、当日参加できなかった方にも伝わるようにまとめておきたいなと。

この記事を読めば、これからの時代にどう自身のキャリアをデザインしていくか、AIやDX(デジタルトランスフォーメーション)をどう捉えて取り込んでいくかについて参考になると思います。

あと、たぶん安心できるんじゃないかな。

AIとかDXって、別にそんな怖いものじゃないので。

■ 面倒で苦痛な仕事はAIに「お任せ」しよう

いきなり結論から言いますがAI/DX時代には「あきらめる力」が重要です。

では、何をあきらめるのか?

それは「AIが人間より遥かに得意な仕事を頑張って続けようとする努力」です。

マスコミやメディアはセンセーショナルに「AIが私達の仕事を奪う!」みたいな強迫観念を植え付けようとしますが、あれは不安ばかりを不必要に煽るばかりで、視野が狭いと思います。

僕らは、喜んで仕事を奪われるべきなんです。なぜなら、AIが奪う仕事は、基本的に「死ぬほど面倒くさい単純作業」だからです。

貴方は、ただ文字を別の箇所に書き写すだけの単純作業をやり続けたいですか?規定のルールやパターンに則って、何かを分類する作業を毎日やってお給料もらいたいですか?

百歩譲って、そういう仕事を続けたい人からしたらAIやDXは恐怖でしかないと思います。なんせ、人間が1日かけていた作業を一瞬でやってしまうんですからね。

だから、僕はむしろAI/DXは人類にとって福音だと思うし、そう考える方が皆さんのキャリアにも生きてくるはずです。

では、これからの時代に「人間こそがやるべき」「人間にしか出来ない」仕事とは何なんでしょうか?

■ AI/DX時代の「人間ならではの仕事」は「概念の創出=編集」

僕は、この答えは「編集」だと思っています。

間違えて欲しくないのは「雑誌の編集者になれ」という意味ではないです。

逆です。これまで一部のメディアやマスコミが使ってきた「編集」というスキルを、あらゆる職種の人間が使いこなせるし、それが求められている時代だということです。

できることなら、もっと適切な言葉があると良いのですが、今の所、もっともこのスキルを説明できているのが編集という言葉なので仕方ありません。

僕は個人的に「編集とは、”概念”を生み出して遊ぶこと」だと定義していて、人間の脳がAIよりも圧倒的に優れており、人間こそがやるべき仕事だと考えているんです。

あらゆる職種において、日々実際にやってる業務内容は多岐にわたるはずです。そして、その中には「編集的な業務」と「面倒な単純作業」が混ざっているはずなんです。

だからこそ、営業なら営業、会計なら会計、人事なら人事と、大雑把な職種単位で「この職種はAIに淘汰される」「この職種は淘汰されない」と論じることはできないし、ナンセンスだと思います。

実際には、あらゆる職種において「AIが代わりにやってくれる”単純作業”」が出てくるというのが実態だからです。

■ 貴方の仕事の中にある「編集行為」と「単純作業」

少し、例を挙げて説明しますね。

営業については、生放送でお話した『Googleの中の人に聞いた”GoogleのSales部隊がいかにAIと共存しているか』というホラー話(後日あらためてブログに書きます)にもある通り、大きく2つのAIとの付き合い方に分かれるようです。

大手クライアント向けのセールスは、担当者からいかに上席の人間につないでもらい、強固な関係性を構築・編集するか、より多くの予算を獲得するか、どう信頼してもらえるかという人間力を含めたカードゲーム的要素が残ります。これは人間相手のウェットなスキルで、AIにはマネできません。

一方、Small Business向けの新規獲得セールスは最終的には確率論に落ちていくので、AIがはじきだすアポ率や成約率を人間の勘で勝つのは難しいでしょう。したがって、アポ獲得のためのリストアップといった苦痛な作業をAIにまかせて、人間は商談の質を上げるためのトークや場作りといった「編集行為」に頭を使った方が良いということになります。

企業の会計や税務処理については、「決算を確定させる作業」「決算内容を説明・表現する作業」はまったく別物です。

決算内容を確定させるための各種支払や費用の仕分けや分類作業は、膨大な単純作業の積み上げです。ここはAIの方が遥かに得意です。

ただ、その決算をどう社内外のステイクホルダーに対して説明するか、表現するかというのは「編集行為」です。

翻訳についても、文字ベースの単純な翻訳作業はGoogle TranslateやDeepLに代替が進んでいますが、映画字幕における芸術的な意訳や、企業内における口頭でのライブ翻訳コミュニケーションへのニーズは残るでしょう。

■ 貴方の業界で既存の働き方を再定義する編集者になろう

僕がいま実践している働き方も、「転職業界」と「IT業界」を新しいやり方でつなぎ合わせて織り直すような編集作業だと考えています。

外野から論評だけするようなアプローチは僕は好みません。

自分自身をその場に投げ込んで、転職という実践行為から掴み取った気づきをもとに、これまで当たり前とされていた転職に関する常識や、IT業界での働き方をアップデートしたいと心から思うんです。

そして、これはとてもやりがいがあり、僕の今後のキャリアを賭ける意義があります。

そして、これを読んで頂いている皆さんにも、今いる業界で当たり前とされていた常識や働き方を一度疑って、より良い形に再編集する力があると信じています。

ということで、今日は以上です。いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。今後も頑張ります。