テック企業に転職しよう 第1号 facebookのinstagram買収とリクルートのindeed買収と違い、Yahoo!とLINEの経営統合について、他

> 2021年9月4日 第1号
> ■ facebookは買収後にinstagramをどう扱ったか
> ■ リクルートのindeed買収後の上手さ
> ■ Yahoo!とLINEの経営統合について

ども。たいろーです。

今週は「テック企業による企業買収 or 企業合併」について調べてものをしていたのですが、示唆に富んでいたので、今日はそれについて書きますね。

■ facebookは買収したinstagramをどう扱ったか

こちらの本『インスタグラム』は、世界のビジネス書の祭典『ビジネス・オブ・ザ・イヤー2020』を受賞した大ベストセラーで、英語のオリジナルタイトルは『no filter』。

「インスタ映え」という一大ムーブメントを生み出し、今日のTikTokにまで連綿と続く、自分をフィルターで盛る文化を生み出したinstagram。創業後、2年も経たずにfacebookに買収されてからの舞台裏を、”フィルターなし”で生々しいエピソードと共に描き出すというウィットに富んだ原題です。

「社員13人、売上高ゼロ」でも買収額810億円、フェイスブックM&Aの真相交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックが写真共有アプリ「インスタグラム」の開発会社を約10億ドル(約810億円)で買www.nikkei.com

本を書くにあたり、著者のサラ・フライヤーさんは、instagramやfacebookの現役社員や元幹部たち数百人へのインタビューを敢行。買収後に創業者であるケビン・シストロムが巻き込まれたfacebookでの社内政治と苦悩、プロダクトに対する美意識、ザッカーバーグや幹部たちとの板挟みにあいながら駆け引きに苦しむ様子など、人間らしいエピソードを力強い筆致で描き出しています。邦訳版でも、その躍動感を失っていません。

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最初に言っておくと、これはinstagram創業者のよる敗残者の物語です。そして読んだら最後、ザッカーバーグを嫌いになること間違いなしの一冊でもあります。

ザッカーバーグは生粋のエンジニアであり、「Hacker Way」で圧倒的なスピードとグロースを重視する気質。一方のシストロムはシリコンバレーには珍しい芸術家肌。「Artist Way」で美しい体験づくりを重視するのが持ち味の起業家です。

読んでいくと、facebook創業者であるザッカーバーグとシストロムとの間に徐々に亀裂が入っていく様子が描かれるのですが、ザッカーバーグは自分がつくりあげたfacebookというプロダクトへの執着が強すぎるが故に、ある種の「嫉妬」に駆られてしまい、instagramを傘下に収めながらも、その成長を素直に喜べなかったようですね。

SnapChatが原型を生み出したストーリー機能にしても、instagramがパクると美しくフィットしてユーザーからCoolと評される一方、facebookで導入するとダサいとユーザーから言われる始末。それについてもザッカーバーグからすると気に入らないわけです。

そうして、ザッカーバーグ徐々に「facebookのおかげでinstagramは成長した」という構図を無理にでも当てはめようとし、シストロムとの関係性が悪化していきます。その後、ある決定的な理由からザッカーバーグはinstagramの従業員増員にも否定的になっていきます。

親会社として子会社に急成長を求め、支援しつつ、でもそれがfacebookより流行したり、追い抜いたりすることを嫌う。徐々にfacebookは、instagramにとっては面倒でやっかいな”敵”のような存在になっていったのでした。

結局、創業者の2人は退任。その後は例によってfacebook幹部による支配が強まっていったのでした。ちなみに、instagramにとって日本は注力市場の一つのようです。僕が知る限り、2021年8月現在、日本においてはアクティブユーザー数でinstagramがfacebookを抜き去っています。日本には開発拠点もあるようですね。

Careers at InstagramLearn about career opportunities at Instagram.about.instagram.com

テック企業、特にSNSプラットフォームは人々への強い影響力を持っている一方、想像以上に世代交代が激しい側面もあり、次々に新しいサービスが出てきて世代ごとに利用者が分断されていきます。

かつてのfacebookがそうであったように、instagramといえど、TikTokなど、次の世代の台頭に目を光らせていないと油断はできませんね。

■ リクルートによるindeed買収後の上手さ

さて、上記のfacebookによるinstagramの買収事例とは対称的に、買収した側もされた側もハッピーな(少なくともそのように見える)のが、リクルートによるindeed買収です。

2021年8月12日の第一四半期決算発表でも、もはやHRテクノロジー(indeedとglassdoor)がリクルートグループ全体の成長株であり稼ぎ頭であることがよくわかります。

有価証券報告書 | IRライブラリ | IR | リクルートホールディングス有価証券報告書および四半期報告書を掲載しています。投資家情報 (IR) は、最新のIR開示資料や決算資料、財務情報、株式情recruit-holdings.co.jp

indeedは、このサイズで毎年140%成長を続けている化け物企業です。コロナによるマイナスの影響からも、すでに脱却しています。

ただでさえ稀有な「日本企業によるシリコンバレー企業の買収事例」。その中でも突出した成功事例であるこの案件。indeed買収の立役者である出木場さんがリクルートグループの新社長に就任するニュースが駆け巡ったタイミングで、下記noteも書いています。

[社長交代] リクルートの経営は黒船indeedから何を学んだのか?

前項で紹介したfacebookによるinstagram買収と、リクルートによるindeed買収。どちらの企業買収においても買収時には「経営の独立性を維持する」と明言されており、一見して似ているようにも見えるのですが…。

この2つ、僕から見ていると「真逆の構造」に見えたんですよね。

では、何が真逆なのでしょうか?
それは、

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