緊急事態宣言が解除されて新型コロナの影響が収束するかと思いきや、感染者が30名を越えて東京アラートが発動。一部の業界では引き続き、リストラの加速が止まりません。
そこで今日は、一人の人間として企業のリストラをどう捉え、ビジネスの世界でどう強くしなやかに生き抜いていくかについて書かせて下さい。
ちょっと昔話になりますが、リストラについて考えさせられた個人的なエピソードを紹介したいと思います。
2002年。母子家庭で育った僕が母の必死の働きで大学に行かせてもらい、新卒で就職したのはリクルートの子会社。当時は就職氷河期と言われていました。
そこでは「転職支援事業(後に転職エージェント事業と命名)」と双璧を成すように「再就職支援事業」というビジネスが営まれており、日本を代表するような大手企業が毎週のように人員削減策を打ち出しては、リストラ実務を再就職支援事業者に委託するような時代でした。
大学四年で暇を持て余していた僕は、この部署で内定者バイトをすることになったのですが、社会に出る直前のこの時期に、強烈な社会的洗礼を受けることになります。
目をキラキラさせてオフィス出社した僕の初仕事は「デスクに山と積まれたリストラ対象者の紙の履歴書をExcelに打ち込む」という作業でした(しんどい)。
当時は電機メーカーのリストラ案件が多かったのですが、機械設計一筋30年のエンジニアが事業部ごと閉鎖になり配置転換。50歳過ぎていきなり営業をやれと言われて成果も出せず、リストラ対象になっているなんて話がゴロゴロ転がっていた時代です。
履歴書と一緒に面談担当が残したヒアリングシートには経済状況がメモされている事もあり、大半の人は、家族を養いながら家のローンも払い、子供達の学費もまだかかる状況でした。
こういった真面目に働いてきた人たちを「自己責任」と切って捨てるのは簡単ですが、彼らが就職した時期は新卒で入社した会社に定年まで勤め上げるのが普通で、転職は社会通念上、奨励されていなかった時代です。
それなのに、会社に命じられるまま配属され、転勤に応じ、懸命に働いてきた人が苦境に陥っている。。。
それを目の当たりにしてショックを受けた僕は、では彼らに何が欠けていたのか?この事態は回避可能だったのか?
自分なりに考え始めたのでした。。。
(続く)