古今東西、上司との関係性に悩むビジネスパーソンは多いですよね。
昨日「こんな上司には要注意」というツイートに反響があったのですが、
普段からこういった事で違和感やストレスを感じている人が沢山いて「本当そうだよね」と共感してくれたんだと思うんですよね。そして、それが理由で転職を考える人も少なくないのが現状です。
では、果たして「上司と合わないから転職する」のはアリなんでしょうか?ナシなんでしょうか?それについて今日は僕なりの考え方を説明しようと思います。
この記事を読めば「上司と合わなくて悩んでいるんだけど、転職すべきかな、それともしない方がいいかな」とグルグル悩まず、転職の判断基準がわかるようになるはずです。
■ 上司と合わないという理由だけで転職するのは原則NG
最初にズバッと結論を言うと「上司と合わない」からという理由”だけ”で転職するのは、問題解決につながらないケースが多いのでオススメしません。
なぜなら、会社を変えても部署を変えても「合わない上司が出現する確率」をゼロにはできないからです。上司は他人であり、他者の人格を変えようとすることほど不毛な努力はありません。
変えられるものと変えられないもの
変えられないもの
- 他人(上司の人格)
変えられるもの
- 自分
- 考え方
- 環境
- 配属先
- 会社
ただし、だからと言って「自分は変えられるので考え方を変えよう」「環境だけは変えられるので転職しよう」というアドバイスも正直、底が浅すぎるかなと思います。転職経験がない人がこういう事言っても説得力に欠けますし、そうやって自分ばかりを追い込んでメンタルを壊すビジネスパーソンも大勢いますからね。
では、この問題をどう捉え直せば良いのでしょうか?
■ 合わない上司の存在は、自分を映し出す鏡
僕の答えは「合わない上司」を活用することで「自分への理解を深める」というアプローチです。下記の図を見て下さい。
上司を使って自分の価値観を浮き上がらせる
以前「自分探しのパラドックス」について書きましたが、僕も含めて人間というのは、他人のことはわかってるつもりでも、自分のことは全然わかってないんですよね。
人間は「快」より「不快」に強く反応するので、「相性が良い上司」と仕事をしていると、それがなぜ快適なのかを深く考えることをしません。
しかし、なんとも皮肉なんですが「合わない上司の存在」は「これだけは譲れないという自分の信念」や「本当に大切にしているもの」を浮かび上がらせてくれるのです。
したがって、上司と合わないことがきっかけになって自己理解が進み、結果として自分のキャリアを次のステージに進めるチャンスが見えて来たなら、その場合には転職はアリだと考えています。
■ 世にはばかる「おかしな上司」を利用しよう
僕のこれまでの職業人生を振り返ると、今もそうですが、かなり上司に恵まれてきた方だと思います。
ただ、それでも「合う上司」が2割、「普通の上司」が7割、「合わない上司」が1割といった割合でしょうか。
思い返せば、新卒リクルート時代、僕の上司ではないのですが、鬼軍曹として有名でメンタルをやられる部下が多い営業マネージャーがいたんですね。
で、ある日、人特(リクルート用語で人事発令に関する情報のこと)で孫会社への出向辞令が出ているのを見て「ああ、悪いことはできないものだな」「会社はちゃんと見てるんだな」と痛感したものでした。
ただ、あれはリクルートだからそうなのであって、残念ながら、多くの会社では必ずしもそうなるとは限りません。
だからこそ、そういった「合わない上司=他人」をなんとか変えようとしたり、逆に自分の考え方を無理矢理変えようとする努力にはエネルギーを使わず、むしろ「自己理解のための肥やし」としてうまく活用するのがおすすめです。
今日は以上です。ありがとうございました。