就職活動中の学生や転職希望者の代表的な悩みにこういうものがあります。
- [新卒] 大手かベンチャーか、どちらに入社すべきか
- [中途] 大手に勤めているが、ベンチャーに転職すべきか
これに対して僕は、転職するなら絶対「急成長企業」がおすすめだとGWにもツイートをしていたんですね。
転職するなら絶対「急成長企業」を僕が薦めるのは、人は”飽きる”生き物だから。でも、実はよく目を凝らしてみると人は「仕事に飽きてる」のではなく同じ毎日を送る「自分に飽きてる」事がわかる。「つまらない」とか「飽きた」が口癖の人たちは、その言葉の矛先が自分に向いている事に気付いてない。
— たいろー / メルカリ→スマニュー🦄 ユニコーン転職日記 (@tairo) May 3, 2020
で、なぜ「転職するなら急成長企業」なのかというと、急成長企業は「ベンチャーかつ大手」の企業になり得るからです。つたわりますかね?
そこで今日は、僕が7回の転職経験から、企業選びの基準について何を学んだかをお伝えします。
僕自身、転職で何回か痛い目を見てるので、この記事を読むことで「大手」「大企業」「中小企業」「ベンチャー」といった言葉の意味が、スッキリ整理できると感じて貰えたら嬉しいです。
■ 「大手かベンチャーか」は組織規模の話じゃない
最初に転職した当時の自分も、転職のお悩み相談に乗っている時もそうなんですが、頭の中が「大きい会社と小さい会社の比較」になってる事が多くて。こういう感じなんですよね。

でも、このような二項対立を前提にしている限り答えは出ないし、下記のような勘違いをしてしまいがちです。
- 大手に勤めていると思っていたけど、非大手の大企業だった
- ベンチャーに転職したはずが、普通の中小企業だった(僕のケース)
次に、これがどういうことなのか説明します。
■ 大手企業の条件は「組織規模」ではなく「市場シェア」
結論、企業が大手であることの条件は「組織規模」ではなく「市場シェア」です。この2つを切り離して考えてみましょう。

こう整理すると、盲点だった2つのタイプの企業が見えてくると思います。
右下:組織は小さいけど、市場シェアは高いニッチ大手
左上:組織は大きいけど、市場シェアは高くない非大手大企業
右下は、組織は大きくないけど市場シェアは高いという「ニッチ大手」です。売上規模は別として、収益性は高いです。
一方、左上の非大手大企業ですが、大抵は複数事業を展開して売上を積み上げていますが、それぞれ市場シェアは高くないので生産性が低く、従業員がたくさん必要なだけなんです。
さて、では「ベンチャー」とは、一体どういう企業なんでしょうか?
■ 僕が思う「ベンチャー」の条件
これについては僕の独自の定義なので、必ずしも正しくはないです。
ただ個人的に、ベンチャー企業とは「急成長して市場シェアを一気に取る意志と戦略を持ち合わせた企業」だと考えています。
上記に該当しないのに「我々はベンチャー企業だ」という自己認識がある会社に勤めると「業績は成長していないけど、業界で生き残れている」というような発言をしている光景に出くわします。
本当は、そういう企業はベンチャー企業と呼ばず、普通に中小企業と呼ぶのが適切だと思うんですよね。
中小企業とは、上のマトリックスの左下にあるような、赤丸の企業ですね。
ただ、こういうマトリックスって大抵は「時間が止まっている」んです。
なぜなら、これはあくまで、ある時点でのスナップショットだからです。
そこで、時間を動かしてみましょう。
■ 止まった時間を動かさないと見えない「急成長企業」

左下に注目してみてください。このように、マトリックスの左下から右上に向かって、短期間で急激に動いている企業があったら、それが「急成長企業」です。
そして、すくなくともその意志とポテンシャルを秘めた企業が「ベンチャー」だというのが僕の考え方です。
例えば、前職のメルカリはまさに左下から右上に数年で駆け上がった企業であり、まだまだ伸びる余地があります。IT業界はこの可能性があるので面白いんです。
一方で、右上から左上に徐々に移動している「元大手企業だけど衰退中の企業(青字)」もありますので、注意が必要です。
■ 大手かベンチャーか悩んでいる転職希望の方へ
ということで今日は以上ですが、最後に大手かベンチャーかで迷ったら整理してみて欲しいポイント書きます。
- 自分が今勤めているのは本当に大手企業なのだろうか?組織は大きいけど、徐々に市場シェアを失っていないか?
- 検討中のベンチャー企業は、本当にベンチャー企業と言えるだろうか?数年で急成長して市場シェアを取りにいくポテンシャルがあるか?
- 組織規模は小さいけど市場シェアは大きいニッチ企業も検討してみるのも面白そうだ
ではでは。長文読んでいただきありがとうございました。