先日のブログ「イケてるプロダクトマネージャーは何を大切にしているのか?」に反響があり、グラレコ(グラフィックレコーディング)にしてくれた方もいて、超わかりやすくまとめていただきました。感動しちゃいましたよもう。
僕の「イケてるプロダクタマネージャーは何を大切にしているのか?」の記事が「グラレコ(グラフィックレコーディング)」という手法でイラスト解説and補足されてる!
— たいろー / メルカリ→スマニュー🦄 ユニコーン転職日記 (@tairo) May 16, 2020
超絶見やすくてわかりやすい。ありがとうございます。 https://t.co/lrvLwJLhFe
ただ、ここで触れていたのは、あくまで後天的に獲得しやすい”能力”である「スキル」であり、先天的な”資質”としての「センス」ではありません。
そこで、今日は「未経験でもプロダクトマネージャーの”センス”がある人の共通点」について説明します。
この記事を読めば、未経験でPM/PdMを目指す人でも、それが新卒であれ中途であれ、活躍するためのセンスが何なのかわかるはずです。
さて、ではプロダクトマネージャーのセンスとは、一体何でしょうか?
■ プロダクトマネージャーのセンスは「演技の幅が広い役者」と同じ
結論から言うと、プロダクトマネージャーのセンスは「役者」と似ていて「様々な役柄を幅広く演じられる感性」のような所があります。
例えば、僕がメルカリ時代に「センスあるな」と感じたプロダクトマネージャーは、
- 経営陣の気持ちがわかる
- エンジニアの気持ちがわかる
- ビジネス職の気持ちがわかる
- 中間管理職の気持ちがわかる
- 外国籍のメンバーの気持ちがわかる
- カスタマーサポートメンバーの気持ちがわかる
- 最近入社したばかりの中途入社者の気持ちがわかる
- 老若男女、様々なタイプのお客さまの気持ちがわかる
こういう特徴を持っていました。何かと人のタイプを区別したがる人間心理を軽々飛び越えて、まるでイタコのように、自分と異なる人格を「降臨させる」センスを持っていたんです。
僕は、この「イタコ」とでも言える力が、プロダクトマネージャーとして製品をヒットさせる大きな要素になると考えています。
そして、これはインターネット登場前にリクルートで数々の情報誌を立ち上げて「創刊男」と呼ばれた、くらたまなぶさんの特性でもあります。
※ちなみに、残念ながら僕はこういったタイプではなくプロダクトマネージャーの中ではエンジニア要素が強い方ですし「人の気持がわからないので、データからの判断を大切にする」ような所があります。
さて、ではなぜ、そういう一見「多重人格」的な資質を僕はセンスと呼んでいるのでしょうか?
今日の話の流れで役者や演技に例えるなら、
- エンジニアは「つくる人」役
- セールスは「売る人」役
ここまではイメージできますが、プロダクトマネージャーの役は何なんでしょうか?皆さん、わかりますか?
僕は、上記の2つに含まれない唯一の登場人物である「お客さま」こそがプロダクトマネージャーが演じるべき役割だと思うんです。
■ センスあるプロダクトマネージャーは複数のお客さまの「不」に共感できる
下の左側のように、センスがないプロダクトマネージャーは「自分は不便だと思うから」「自分はこのUIだと使いにくいから」と、自分というサンプルケースだけで考えをまとめあげる工夫もせず、お客さまの気持ちを想像せず突っ走ります。
そういうPM/PdMは大抵、小粒な施策をたくさん打って仕事した感は出るものの、大した成果は出せません。
では、センスあるPMは何をしてるんでしょうか?それが下記の図の右側です。

センスがあるプロダクトマネージャーは、様々な属性のお客さまの不満や不便、不安に寄り添って、共通項をくくりだします。
また、売る人役であるセールスや、つくる人役であるエンジニアとも、彼らがわかる言葉に翻訳してコミュニケーションを取ろうと努めます。
■ 役者として役の幅を広げよう
さて、ということで今日は以上です。
上記で説明してきたように、チームというのは「売る人」と「つくる人」だけでは成立しません。
この2者だけだと、商品やサービスの開発が提供者側に偏ってしまうからです。
「売りたいもの」や「つくりたいもの」が成果物として出来てしまうだけで、必ずしも「お客さまが求めているもの」にならず、ヒットすることもありません。
結果として、誰にも使われないサービスや新機能が生まれたり、誰にも読まれないコンテンツが量産されたりします。
しかし、そこにセンスあるプロダクトマネージャーがいるだけで、様々なお客さまの悩みが構造化されたり、何が一番解決すべき問題なのか明確になったり、お互いにわかる言葉でコミュニケーションできるんですね。
ということで、プロダクトマネージャー志望の人は、芸の肥やしとして、どんな趣味でも仕事でも、好き嫌いせずに、様々なことにチャレンジしてみてください。
ではでは。