twitterで転職相談される機会が増えてきたんですが「どんなキャリアプランが良いですか?」といきなり聞かれても、クリアな回答は難しいですね。
転職の動機は人それぞれで、これといった正解があるわけではありません。
また、転職しない方が良いケースも多々あるので、やたらと転職をすすめてこない真摯な転職エージェントの方と出会えたら良いですね。
ただ、面接官を長年やる中で「転職理由」で陥りやすいパターンがあるので、今日は皆さんに気をつけて欲しいポイントを説明します。
■ その転職は問題解決になっているか?
結論から言うと、面接官が気にするのは「転職理由」それ自体ではありません。
(さすがに現職の文句ばかり言われたら引くとは思いますが)
それよりも大事なのは「今回の転職でその問題が解決できるのか?」という点です。
候補者の方と話せば、前向きな転職理由や志望動機を語ってはくれるのですが、
- それってうちに転職してもまた同じことになるんじゃないかな
- そもそも転職という手段では解決にならないんじゃないかな
と感じてしまうケースも多いんです。
■ 転職が問題を解決しないケース
たとえば、
「新しいことにチャレンジしたい」が転職理由だけど、すでに志望企業のフェーズが成熟期に入ってしまい、新しいことがやりにくい環境だったり。
「今の会社の企業カルチャーと合わない」が転職理由だけど、志望企業のカルチャーも劇的に変化するタイミングだったり。
「今の会社で成長できるか不安」が転職理由だけど、志望企業で成長できる理由もとくに見当たらなかったり。
こういった場合、仮に転職したとしても「こんなはずじゃなかった」という結果になり、双方にとって良くない転職になってしまいます。
また、中には「であればなぜ、今勤めている会社に入社したんだろう」という風に、転職理由が、今の勤め先入社前から明らかな場合も面接官から疑問を持たれると思います。
さて、では自分の場合はどうだったのか、直近の転職理由を簡単に振り返ってみたいと思います。
■ ここ最近の自分の転職理由
メルカリ(2016) → SmartNews(2020)
- エンジニアのマネジメントが長いが、PMとして開発に熱中したい(転職しなくてもポジション異動で実現できた)
- USでの成長ポテンシャルがあるプロダクトで英語を使って仕事を続けたい(転職しなくても事業部の異動で実現できた)
- 現職の企業カルチャーが大きく変わる中、現職での仕事はある程度やり切ったので、他Tech企業にも興味が出てきた
- 検索改善の経験が長いが、広告プロダクトの最適化にも興味がある
- 創業経営陣がエンジニアで、感性が近くて共感できる
ビズリーチ(2013) → メルカリ(2016)
- 事業責任者というより、AIを使ったプロダクト開発に集中したい(転職しなくてもポジション異動で実現できた)
- 営業努力で売るのではなく、ユーザーが勝手に使い出す製品に興味がある
- CtoCの経験はないが、検索改善の経験をメルカリで活かしてみたい
- ネット業界にいる以上は、英語で仕事しないといけない環境に自分を投じてみたい
- 日本中から優秀な人材が集まってる環境で自分が通用するか試してみたい
WILDCARD(2012) → ビズリーチ(2013)
- 自分のアイデアで独自のサービスを世に出す面白さは色濃く体験できたが、どうせならもっと沢山の人が使ってくれるサービスをつくってみたい
- 自社サービスを数人で運営してるとバグを潰すことに時間が浪費されてしまうので、もっと沢山の優秀なエンジニアと目標に向かって働きたい
- 当時の親会社のカルチャーがいまいち肌に合わない
こうして思い返してみると、転職理由の全てが「転職しなければ実現できない」わけではありませんでした。
それでも転職を決断をしたの、それらの理由以外にも「この転職で解決したいこと」が明確にあったからですし、志望企業でなら実現できる可能性も高かったからです。
その代わり、自分が提供できるスキルや経験の価値が、志望企業が欲している課題を解決できるに違いないと感じてもらうことも必要です。
転職を考えている皆さんもぜひ「今回の転職でその課題は解決できるか」という視点で、転職理由を頭の中で構造化してみてください。
ということで今日は以上です。読んで頂きありがとうございました。